エケベリアを育てていると、本当にたくさんの種類があることを実感させられますよね。
例えばシャビアナとピンクフリルズ。
この2つのエケベリアはよく似ていて同じ種類だと言われていましたが、最近ではピンクフリルズはシャビアナの中の一種だという見解で落ち着いています。
エケベリアは原種が約180種あり、交配種を含めると1,000以上の種類がある多肉植物。
似ていて可愛いと思っていたものが同じ種類だったり、これまで同じ種類だと思っていたのもが違う種類だったということも多いです。
そこで今回は、エケベリアの中でも種類が多いアガボイデスについて紹介していきます。
これは原種?交配種?と迷った時や、この子の親はどの種類?と思ったときに役立ててみてくださいね。
アガボイデスの原種
まずはアガボイデスの原種からご紹介します。
- アガボイデス(Agavoides)【東雲・曙・仙凰】
- アガボイデス錦(Agavoides f.variegate)
- アガボイデス コーデュロイ (agavoides 'Corderoyi')
- アガボイデス ヴィラ サラゴサ(agavoides’Villa Zaragoza')
アガボイデスの原種には、「錦」とつくものや「コーデュロイ」「サラゴサ」などと呼ばれているものがあります。
またアガボイデスは東雲(しののめ)や曙(あけぼの)などとも呼ばれることもありますよね。
以前まで東雲などと呼ばれていたものが、アガボイデスに該当することからこの呼ばれ方をするようです。
ちなみに「錦」は斑入りを意味し、葉に斑が入った種類を指しています。
アガボイデスに限らず、斑が入った種類は見ごたえがあると人気ですよね。
アガボイデスの交配種
次にアガボイデスの交配種をご紹介します。
わかっているものについては品種名と、その両親も紹介していきますね。
アガボイデスの交配種(あ~)
アガボイデス相生傘(agavoides 'Aioigasa’)
「あいおいがさ」と読みます。 相生は相老などと書くこともあり、一つの根元から二つ幹が分かれて伸びることを意味します。 また、2本の幹が途中で一緒になっている場合にも相生と呼ぶことがあるようですね。 相生傘は、肉厚の葉と小さめのロゼッタが特徴のアガボイデスです。 艶があり、綺麗な色をしているのが特徴ですね。
アガボイデス赤い唇(agavoides'Akai-kuchibiru')
赤い爪が特徴の「あかいくちびる」は、両親が不明の交配種です。 綺麗な赤い花を咲かせる姿は、とても魅力的。 インパクトのある名前は、一度聞いたら忘れられませんよね。 赤い唇は、葉に光沢があるタイプのアガボイデスになります。
アガボイデス アガタ(agavoides 'Agata')
【親】アガボイデス(E.agavides)×ザラゴーサ(E.cuspidate var.zaragozae)
アガボイデス アガタは、10cmまで成長するアガボイデスです。 鋭い爪が特徴のザラゴーサの特徴を受け継いでいるため、爪が長いのが特徴。 いくつかのタイプが存在しますが、どれも爪が綺麗で魅力的です。
アガボイデス アメスティアーナ(agavoides 'Amesthyiana')
真っ赤な色が特徴のアガボイデスになります。 「魅惑的」と呼ばれたり「毒々しい」と呼ばれることもありますが、その魅力に取りつかれてしまう人も多いのが事実です。 アガボイデスの中では小型の品種で、育てやすいのが特徴です。
アガボイデス アップル
赤い小さな爪が特徴のアガボイデスです。 赤みがかった葉の色が重なりあう姿は、まるでリンゴのよう。 シンプルで可愛い雰囲気が人気の種類です。
アガボイデス SJタイプ(agavoides’SJ type')
アガボイデスの中でも希少な種類です。 交配種ですが、両親は不明。 紅葉期の赤い姿が魅力的で、育てがいのある種類になっています。
アガボイデス エボニー (agavoides 'Evony')
アガボイデスの王道と言われているエボニー。 爪はもちろん、葉のエッジが黒い特徴的な姿をしています。 キリッとした姿が魅力的で、元気をくれるアガボイデスです。
アガボイデス エボニー スーパークローン (agavoides 'Evony Super Clone')
エボニーの中でも爪や葉のエッジの色が濃いのもをスーパークローンと呼びます。 エボニーには「黒檀」や「光沢のある黒」という意味がありますが、名前の通り光沢のある葉が特徴の種類です。
アガボイデス 思い出露
【親】アガボイデス相府連(E.agavoides’Soufren’)×デローサ(E.Derosa)
不思議な名前が心に残るアガボイデスですね。 「思い出露」の名づけの由来となったのは両親の名前のイメージからだと言われています。 思い出というフレーズから、忘れられない想いをかかえる様をイメージさせてくれます。 ぷっくりとした葉が特徴で、艶感のあるアガボイデスです。
アガボイデス交配種(か~)
アガボイデス・カエスピトーサ(agavoides var. caespitosa)
「群生」という意味を持つカエスピトーサ。 カエスピトーサはギュッと詰まった葉と薄赤い色の爪が特徴のアガボイデスです。 人気度も高く、販売されている数が多い印象を受けます。
アガボイデス ガヤ(agavoides'Gaya')
別名【ピンクアガボイデス】と呼ばれる種類のアガボイデスです。 ガヤという名前は韓国での販売名で、ピンクアガボイデスはオーストラリアでの販売名になります。
アガボイデス交配種(さ~)
アガボイデス ジェイド ポイント(agavoides'Jade Point’)
【親】アガボイデス(E.agavoides)×エケベリアSP(E.sp)
10cm程度の小型のアガボイデスです。 黄色の葉先が魅力的で、子株を群生させて増えるのが特徴です。 アガボイデスの交配種ということもあり、アガボイデスに似た葉を持っていますね。
アガボイデス ジゼル(agaboides'Giselle')
赤のあるエッジが綺麗なシゼルは、反り返った葉を持つという特徴があります。 葉色が明るく、元気な印象を受けるジゼル。 Giselle という言葉を聞くと、1841年にフランスで初演されたバレエ作品を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
アガボイデス シリウス(agavoides’Sirius’)
交配種のアガボイデスですが、両親は不明。 だたしアガボイデス コーデュロイによく似ていることから、コーデュロイの血を受け継いでいるのではないかと言われています。 実は「シリウス」というのは、韓国の呼び名になります。 密集した葉と、ワンポイントの爪が可愛い種類ですね。
アガボイデス シンリープ(agavoides 'Shinriipu')
他のアガボイデスと違う魅力があると話題のシンリープ。 紅葉期にはアガボイデスの中では珍しいオレンジ色に葉を染めます。 優しさの中にも力強さがあり、見ている人を癒してくれるアガボイデスですね。
アガボイデス錦 スノークラウド(agavoides f.variegata 'Snow Cloud'a)
白い斑が魅力のスノークラウドは、アガボイデスの中でも美しいと人気がある種類です。 スノークラウドとは英語で「降雪雲」や「雪雲」という意味をもちますが、名前の通り雲のように白いアガボイデスになります。
アガボイデス相府連 【別名 想夫恋・想夫憐】(agavoides’Soufren’)
【親】アガボイデス(E.agavoides)×エケベリアSP(E.SP)
アガボイデスの中でも赤みが強いのが相府連になります。 アガボイデス好きなら一度は育ててみたくなる種類の一つ。 綺麗に色づいた姿は、どのアガボイデスにも負けない程綺麗です。
アガボイデス交配種(た~)
アガボイデス テキーラ サンライズ(agavoides’Tequila Sunrise’)
【親】アガボイデス相生傘(E.agavoides 'Aioigasa)× アガボイデス リンゼアナ(E. lindsayana)
夏と冬で異なる姿を見せてくれるのがテキーラ サンライズの魅力です。 夏はおとなしめで特徴がほとんどないと言っても過言ではありませんが、紅葉期から冬にかけての美しい姿は見物です。 テキーラサンライズといえば、カクテルを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 「熱烈な恋」との別名を持つカクテル同様に、紅葉期には恋をしているかのような美しい姿を見せてくれます。
アガボイデス交配種(な~)
アガボイデス錦 レッド ティップ(agavoides f.variegata'Red Tip')
白い葉に赤いエッジの入った姿が印象的なアガボイデスになります。 交配種として流通していますが、両親は不明。 赤い葉先が尖っていて、存在感抜群のアガボイデスです。
アガボイデス交配種(は~)
アガボイデス パープルエボニー(agavoides'Purple Ebony')
可愛らしさと凛々しさを兼ね備えたアガボイデスになります。 実はパープルエボニーは、アガボイデスの一つの型につけられたニックネームのようなものだと言われています。 紅葉期にはピンクに色づいた姿を見せてくれる、育てがいのあるアガボイデスです。
アガボイデス バビー
オレンジがかった紅葉がとても綺麗なアガボイデスです。 控えめな赤い爪とぷっくりした葉がなんとも可愛らしく、見ているだけで癒される種類ですね。
アガボイデス ヴァション(agavoides’Vashon')
【親】アガボイデス(E.agavoides)×不明(E.spec)
白くて光沢のある葉が特徴のアガボイデスです。 白くて綺麗な姿から、交配種の親としても人気がある種類。 葉にはいくつか種類があり、紫色の斑が入ったヴァションもいます。
アガボイデス プリドニス
不思議な名前が印象的なアガボイデスです。 プリドニスは、実は「花うらら」という名前でも販売されていて、ぷくっとした葉と葉先の赤さが特徴の種類です。 名前の通り、のどかでうららかな印象を与えてくれるアガボイデスですね。
アガボイデス ブラウン(agavoides’Brown')
ブラウンとグリーンのコントラストが綺麗な種類です。 紅葉のしかたによってはワインレッドになりますが、どちらも見ごたえがあります。
アガボイデス ブラッドムーン(agavoides'BloodMoon')
【親】アガボイデス ブルームーン(E.agavoides'Blue Moon')×アガボイデス プロリフェラ(E.agavoides'Prolifera')+メキシカンジャイアント(E.'mexican Giant')
複雑な交配式を持つアガボイデスになります。 見た目はメキシカンジャイアントに近く、ピンクの葉裏が可愛いと人気の種類です。
アガボイデス ブルームーン(agavoides'Blue Moon')
アガボイデス レッドエッジ(E.agavoides 'Red edge')×メキシカンジャイアント(E.'Mexican Giant')
アガボイデス ブラッドムーン同様に、見た目がメキシカンジャイアントに近いアガボイデスになります。 メキシカンジャイアントよりも葉が薄いため、交配式に疑問の声も上がっていますが、多くの種類が存在するエケベリアならではの謎ではないでしょうか。
アガボイデス プロリフェラ(agavoides'Prolifera')
グリーンとレッドのグラデーションが魅力のプロリフェラ。 赤い爪から葉へと徐々にグリーンになっていく姿が魅力的です。 葉先が内側に入っているのが特徴で、まとまっていて可愛らしい雰囲気を持つアガボイデスです。
アガボイデス交配種(ま~)
アガボイデス マカベアナ(agavoides'Makabeana')【別名 赤い星】
赤い星とも呼ばれているマカベアナは、原種として確率しているアガボイデスではありません。 現在のところはハイブリッドとされていますが、疑問が残るなんとも不思議な存在のアガボイデスです。 光沢のある葉が特徴で、大群生になる性質があります。
アガボイデス マリア(agavoides'Maria')
【親】アガボイデス(ee.agavoides)× アガボイデス プロリフェラ(E.agavoides'Prolifera')
プロリフェラの栽培品から選出されたアガボイデスだと言われています。 「マリア」という名前が印象深く、覚えやすいアガボイデスとしても人気がありますね。 エッジの赤色が素敵な種類です。
アガボイデス マルチフィーダ(agavoides'Multifida)【別名 魅惑の宵】
魅惑の宵という印象的な名を持つマルチフィーダは、鋭い葉先は特徴の大型品種です。 魅惑の宵という名前から、ミュージカル「南太平洋」のナンバーを思い出す人も多いかもしれませんね。
アガボイデス モルゲイン(agavoides 'Morgain')
モルゲインは韓国名での流通名だと言われています。 控えめな爪とシンプルな葉が特徴のアガボイデスで、ここ何年かで一気に人気がでた種類です。
アガボイデス交配種(ら~)
アガボイデス ラジョヤ
存在感のある小さな爪が特徴のアガボイデスです。 「ラジョヤ」とスペイン語で宝石を意味しますが、控えめながら宝石のような綺麗さを持ち合わせる種類になっています。
アガボイデス ルブラ(agavoides'Rubra')
ダークレッドが特徴のアガボイデスで、紅葉期以外でも赤いのが特徴です。 落ち着いた色あいが人気で、優しい雰囲気があります。
アガボイデス レッドエボニー(agavoides 'Red Evony')
レッドエボニーは基本的にアガボイデス ロメオのことを表しているといわれています。 その他ヨーロッパではトーレス・タウラスと呼ばれることもあります。 ピンクがかった赤色に染まった葉が綺麗で、思わず見とれてしまう人が多いアガボイデスです。
アガボイデス レディース フィンガー(agavoidesu'Ladies Finger)
小型で綺麗なロゼッタが特徴のアガボイデスです。 レディース フィンガーという名前は直訳の通り「女性の指」を指し、葉の形が女性の指のように美しいことが言われとなっています。
アガボイデス レオ(agavoides’Leo')
ライムグリーンの葉と小さな赤い爪がかわいらしい雰囲気を作っているアガボイデスです。 ほとんど紅葉しないため、1年を通して容姿の変化は少ないですが、かわいらしさが人気の種類となっています。
その他のアガボイデス
アガボイデスを含むエケベリアには、原種と交配種以外にも綴化(テッカ)した種類や突然変異してしまった種類があります。
アガボイデスの綴化や突然変異によってつくられた種類がこちらになります。
綴化
- アガボイデス セッカ(Agavoides f.Cristata)【別名 鯱(シャチ)】
- アガボイデス コーデュロイ セッカ( agavoides 'Corderoyi'f cristata)
突然変異
- アガボイデス エボニー錦(agavoides'Ebony'f variegata)
- アガボイデス シルク斑(agavoides f.variegata 'Silk')
- アガボイデス ロメオ(agavoides'Romeo')
たくさんの種類があるアガボイデスですが、それぞれ特徴が異なっているのが面白いですよね。
現在も様々な交配種が増えているので上記のものが全てではありませんが、少しでもお役にててていれば幸いです。
今後もアガボイデスを見つけ次第更新していくので、購入の際や生育の際には参考にしてみてくださいね。